登山道精読(入門)講座の報告

平成26年3月23日(日) 晴れ
指導者、受講者合わせて計11名。


 朝9時に二上山ふるさと公園・公園館の一角で、机上作業を行い、11時~16時30分までコース上で実習を行いました。

 受講者には二上山の地形図にコースと磁北線を加筆し拡大した地形図をメール送付し、
事前課題として水線を入れて頂いた地形図を持参頂きました。
 水線を入れる作業とは,谷はもちろんのこと、地形図で読み取れる範囲で源頭部まで線を入れてもらうことです。
 この作業によって、初心者は谷と尾根の区別が明確に意識出来ることが狙いです。
 ベテランにとっても、普段より深い読みをすることで、強く意識していなかった源頭部が水線で読み取れ、
位置特定の補助手段になることを体感して頂くのです。

   
【机上作業 ↑】
 公園館での机上作業のキモは、位置特定ポイントの洗い出しと、それらの区間を繋ぐ道を四つのパターンに分類し
各区間の精読情報を書き出すことです。
 作業を通じてこの考え方さえ手に入れれば、飛躍的に読図力が向上するのです。
具体的な詳しい作業は 【ここ】 をクリックして下さい。

 

【← コンパス操作】
 机上作業を終え、取り付き地点まで行く途中、傘堂付近での操作練習です。
 地形図上で傘堂から二上山雌岳にシルバ・コンパスを合わせて、
進行線が確かに雌岳を指していることを確認してもらいました。

 この時点で、コンパス操作に不安があっても、現場で何度も何度も操作をしてもらうので、
ここではほどほどで充分なのです。



   

【↑ 現地実習】
 今日は祐泉寺手前、地蔵さまが有る谷が取り付きです。
 精読カードを読み返し、コンパスで方位を確認して出発します。
 これを各ポイントで作業を重ねる内に、それぞれに合った勘所が身について来る様です。
 特に初心の方には交代で先頭に立ってもらって、次の位置特定ポイントで止まってもらうことで、自分だけでも出来る自信をつけて頂きました。


 指導者からは、地形図だけでは読み切れない特徴を、現場で補足するなどし、理解を深める様努めました。
 例えば、10m間隔の等高線故に地形図に隠れてしまう、尾根分岐部の複雑な地形や、地形図にないピークと鞍部、
地理院地形図の誤り等です。



 
【↑ 付録】
 講座は地形図を基に現在地から次の地点を確定する事が基本ですが、
眺望の良い所ではその反対のことも楽しみでやってみました。
 覗き岩や、眺め坂では近くにある鳶塚などのピークにコンパスを合わせ、
それを地形図上にマッピングし山名を確認する逆動作です。



 今日は,初心者、ベテランそれぞれに得るところがあり満足な一日になったようでした。
 今回の講座は、金剛山剛友会炉端山友会 両会のリクエストで急遽開催致しました。
 一人の指導者で受講者2,3人くらいを担当するため受け入れ人数には制約がありますが、上記いずれかの山岳会からの希望があればまた計画します。

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